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解体と撤去の違いとは?工事範囲・費用・使い分けを解説

解体と撤去の違いは、一般に「壊して分ける作業」か、「対象を取り除いてその場からなくす作業」かという目的と範囲にあります。ただし、契約書に「撤去工事」と書かれていても、建物を壊す工事を含むことがあります。工事名だけではなく、何をどこまで壊し、何を残し、どこへ搬出するかを確認することが重要です。

「見積書の解体と撤去は別料金?」「内装解体と設備撤去はどこまで含む?」

この記事では、解体工事と撤去工事の基本的な使い分け、工事範囲・費用・必要な確認の違い、見積書での見分け方を解説します。

この記事で分かること

  • 解体と撤去の基本的な意味・目的の違い
  • 建物解体、内装解体、設備撤去、外構撤去の範囲
  • 費用を工事名だけで比較できない理由
  • 見積書・契約書で確認すべき項目
目次

解体と撤去の違いは「壊す」と「取り除く」

解体は建物や工作物を壊し、部材や構成を分ける作業を指す場合が多く、撤去は設備、内装材、外構、廃材等を取り除き、対象箇所から搬出する作業を指すのが一般的です。

比較項目解体撤去
主な目的建物・工作物を壊し、構成部材に分ける特定の対象を取り除き、その場からなくす
対象の例家屋、躯体、内装、基礎、ブロック塀機械、厨房設備、看板、フェンス、植栽、残置物
完了状態解体対象が分解され、分別・搬出できる状態指定された物が現場から取り除かれた状態
注意点構造、作業手順、飛散・倒壊、分別、届出所有権、再利用品、配線・配管、搬出、処分区分

実務では、解体してから撤去・搬出するため、2つの作業は重なります。例えば、鉄骨階段は接合部を切断して解体し、その後に吊り下ろして撤去します。したがって「解体か撤去かどちらか一方」とは限りません。

解体工事と撤去工事の範囲を対象別に比較

工事名よりも、対象別に「解体」「撤去」「保存・再利用」を分けると、見積漏れを防げます。

工事の例解体に当たる部分撤去に当たる部分見積時の確認
家屋の全解体屋根、内装、躯体、基礎の取り壊し解体材の集積・搬出、残置物の取り除き地中物、基礎、樹木、フェンス、整地を含むか
内装解体間仕切り、天井、床、造作物の取り壊し什器、厨房設備、照明、機器の取り外し・搬出躯体あらわしか、原状回復か、設備の保存があるか
外構工事ブロック塀、カーポート基礎等の分解フェンス、門扉、看板、樹木等の取り除き基礎・杭・地中配管と処分を含むか
設備撤去架台や固定部を破壊する場合は部分解体空調、給排水、電気機器、製造設備の取り外し停止・切離、フロン等の回収、再利用、閉塞方法

内装解体は躯体あらわしと原状回復で範囲が異なる

躯体あらわしは内装材・設備を広範囲に撤去し、柱・梁・床・壁などの構造部分が見える状態にする工事です。一方、賃貸物件の原状回復は賃貸借契約・工事区分表等で指定された範囲に戻すことが目的です。同じ店舗内の工事でも、撤去対象は異なります。

設備撤去は電気・ガス・給排水の切離と端部処理を確認する

設備を取り外すだけでなく、電源の切離、ガス管の閉塞、給排水管のプラグ処理、冷媒の回収、機器の搬出経路まで必要です。保存・売却・廃棄のどれかも、所有者と施工者で着工前に決めます。

解体と撤去は必要な許可・登録も契約名だけで決まらない

必要な建設業許可、解体工事業の登録、届出は、「解体工事」「撤去工事」という見積書の名称だけでなく、実際の作業内容、請負代金、建物・工作物の区分、施工地で判断します。

  • 建築一式工事以外の建設工事は、原則として1件の請負代金が500万円以上なら建設業許可が必要
  • 500万円未満の解体工事でも、建設リサイクル法に基づく解体工事業登録が必要になる場合がある
  • 建築物の解体で床面積合計80㎡以上等の対象建設工事は、分別解体と届出の対象になる
  • 内装や設備の撤去でも、電気、管、機械器具設置等の専門工事が含まれる場合は該当する許可・資格を確認する

出典:国土交通省「建設業の許可とは」、国土交通省「建設リサイクル法質疑応答集」

解体と撤去で費用を比較するときのポイント

「撤去の方が安い」「解体の方が高い」と一律にはいえません。対象の重さや固定方法、分別・搬出・処分、専門業者の手配、再利用する場合の損傷防止などで費用は変わります。

解体と撤去の目的、作業、完了状態、見積確認の違い
工事名だけではなく、対象、完了状態、搬出・処分まで一つずつ確認します。
費用項目確認する内容
事前処理ライフライン停止、内部の残置物、アスベスト事前調査、冷媒回収
切離・解体切断、手ばらし、重機、揚重、養生、必要な専門工事
搬出搬出経路、障害物、小分け、クレーン、車両と人員
処分・再利用廃棄物の種類・量・運搬距離、買取品、保存品の養生
後処理穴の補修、管・配線端部の閉塞、清掃、整地、引渡し書類

見積書の数量と単位を揃え、解体、撤去、運搬、処分、保存、後処理を分けて比較してください。「撤去一式」のままでは、工事後に基礎、配管、フェンス、廃棄物の処分などが追加費用になる可能性があります。

解体と撤去の使い分けを見積書・契約書で確認する方法

契約前に完成図、平面図、現場写真を使い、取り壊すもの、取り外すもの、残すもの、保存するものを色分けすると認識を合わせやすくなります。

  • 建物・工作物・設備・外構ごとの対象範囲
  • 基礎、杭、土間、地中配管を撤去するか残すか
  • 空調、厨房、照明、看板、家具の所有者と処分方法
  • 保存品の取り外し、養生、運搬、保管場所
  • 撤去後の穴埋め、閉塞、補修、清掃、整地の仕上げ
  • 予期しない地中物・隠ぺい物を見つけたときの報告と追加承認

全体の着工前確認は、解体工事チェックリストも活用してください。対象範囲と写真を契約書・見積書にひも付けると、「壊すつもりだった」「保存するつもりだった」という認識のずれを防げます。

解体と撤去の違いに関するよくある質問

解体工事と撤去工事の範囲、業者選び、見積について簡潔に回答します。

撤去工事には壊す作業を含みますか?

含む場合があります。設備の基礎、固定アンカー、ブロック塀、内装の造作物などを撤去するために、切断や破壊が必要になるためです。実際の施工内容で必要な資格・許可と費用を確認します。

解体と撤去は別の業者に依頼すべきですか?

必ず別業者にする必要はありません。解体業者が設備撤去まで一括管理する場合もあります。ただし、電気、ガス、冷媒、大型機械等は専門業者が必要な場合があるため、責任区分と必要資格を確認してください。

見積書の「撤去一式」に処分費は含まれますか?

「撤去一式」という表記だけでは、処分費が含まれるか判断できません。数量、搬出、運搬、処分、買取、保存、追加費用の条件を内訳で確認します。

解体と撤去は対象と完了状態を言葉にして使い分けよう

解体は建物や工作物を壊して構成部材に分ける作業、撤去は対象物を取り除き、その場からなくす作業を指すのが一般的です。しかし、実際の工事では解体と撤去が連続するため、工事名だけで範囲を判断してはいけません。

見積・契約では、壊すもの、撤去するもの、残すもの、保存するものを図面と写真で指定します。さらに、搬出、処分、後処理、追加費用の条件まで書面化し、完成状態の認識を合わせましょう。

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