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解体工事前にやること15選|始める前の準備・届出チェックリスト

解体工事前にやることは、家財の片付けやライフラインの停止だけではありません。名義・境界の確認、アスベストの事前調査、行政への届出、近隣への案内まで、着工日から逆算して準備する必要があります。

「解体工事を始める前に何をすればよいか分からない」「手続きの漏れで着工が遅れるのを避けたい」

このような方に向けて、施主が確認する15項目を時期別に解説します。業者へ任せられる手続きもありますが、発注者として確認すべき内容を把握しておきましょう。

この記事で分かること

  • 解体工事前にやること15項目
  • 着工2か月前から前日までの準備時期
  • 必要になる届出と担当者
  • 追加費用や近隣トラブルを防ぐ確認方法
目次

解体工事前にやることを時期別に確認

解体工事前にやることは、着工直前にまとめて対応できるものばかりではありません。解体後の土地利用や権利関係は2か月以上前から検討し、各種の撤去予約や近隣挨拶は日程が決まってから進めます。

解体工事前にやることを2か月前・1か月前・1週間前・前日に分けた準備スケジュール
時期の目安主な準備
着工2か月以上前権利関係、解体後の土地利用、資金、業者選び
着工1か月前契約、アスベスト調査、届出、残置物の整理
着工1〜2週間前ライフライン、浄化槽、近隣挨拶、道路使用の確認
着工前日まで残す物の表示、鍵の引き渡し、最終確認

必要な期間は建物や地域によって変わります。着工日が決まったら、施主・解体業者・建て替え業者の担当を一覧にし、完了日と書類の保管場所も記録してください。

解体工事を始める前に決めること

解体工事を始める前に、建物を壊してよい状態か、解体後の土地をどう使うか、予算をどう組むかを決めます。ここが曖昧なまま契約すると、工事範囲の変更や建て替え日程のずれにつながります。

  • ①所有者・相続人・抵当権を確認する
  • ②解体後の土地利用と税金を確認する
  • ③予算と資金の支払時期を決める
  • ④複数の解体業者を比較する
  • ⑤契約書で工事範囲を確定する

①所有者・相続人・抵当権を確認する

最初に、登記事項証明書で建物の所有者と抵当権の有無を確認します。相続登記が済んでいない建物や共有名義の建物は、関係者の同意を整理してから解体の契約へ進んでください。

住宅ローンなどの抵当権が残っている場合は、金融機関への確認も必要です。長年空き家だった建物でも、居住者と登記名義人が同じとは限りません。

②解体後の土地利用と税金を確認する

解体後に新築する、売却する、駐車場にするなど、土地の利用方法を決めます。新築する場合は、地盤調査や着工予定から解体の完工日を逆算し、建築会社と工程を共有しましょう。

住宅を解体すると、住宅用地の固定資産税に関する特例が適用されなくなる可能性があります。課税の扱いは土地や時期によって異なるため、所在地の市区町村へ事前に確認してください。

③予算と資金の支払時期を決める

解体費用だけでなく、家財処分、アスベストの分析・除去、地中埋設物、樹木・塀の撤去、登記などに使う予算も確保します。補助制度を利用する場合は、契約や着工前の申請が条件になっていないか確認が必要です。

契約時・着工時・完工時など支払時期は業者によって異なります。追加工事が発生した場合の承認方法も決めておきましょう。

④複数の解体業者を比較する

同じ条件で複数社へ現地調査を依頼し、見積書の内訳と説明を比較します。建物本体、基礎、外構、家財、廃棄物処分、養生、整地がどこまで含まれるかを確認してください。

価格だけでなく、解体工事業の登録または必要な建設業許可、損害賠償保険、近隣対応、追加費用の条件も判断材料です。最大5社を比較できる一括見積もりを使うと、同じ条件で候補を集めやすくなります。

⑤契約書で工事範囲を確定する

契約書には、撤去する物と残す物、工期、金額、支払時期、追加費用、事故時の責任、廃棄物の処理方法を記載してもらいます。ブロック塀や樹木の一部を残す場合は、図面や写真も添付すると認識違いを防げます。

地中埋設物が見つかった場合は、写真と見積もりを確認し、施主が承認してから追加工事へ進む手順を決めてください。

解体工事前に必要な調査と届出

解体工事前には、アスベストの事前調査と、建物の規模・作業内容に応じた届出が必要です。業者が提出を代行する場合も、対象になる手続き、提出者、期限を確認して控えを受け取りましょう。

  • ⑥アスベストの事前調査を受ける
  • ⑦建設リサイクル法の届出を確認する
  • ⑧建築物除却届などの提出を確認する
  • ⑨道路使用許可と特定建設作業の届出を確認する

⑥アスベストの事前調査を受ける

建築物の解体では、規模の大小にかかわらず、工事前に解体部分の材料についてアスベスト含有の有無を調べます。厚生労働省によると、解体部分の床面積が80㎡以上の場合は、事前調査結果の電子報告も必要です。

アスベストが見つかると、除去方法や届出に応じて費用と工期が変わります。本見積もりに調査費や必要な対策費が反映されているか確認してください。

出典:厚生労働省 石綿総合情報ポータルサイト

⑦建設リサイクル法の届出を確認する

特定建設資材を用いた建物で、解体する床面積の合計が80㎡以上なら、建設リサイクル法の届出が必要です。発注者または自主施工者が、原則として工事着手の7日前までに都道府県知事などへ届け出ます。

解体業者へ委任する場合は、委任状、提出日、受理状況、届出書の控えを確認しましょう。地域によって窓口や電子申請の方法が異なります。

出典:国土交通省 建設リサイクル法の届出案内

⑧建築物除却届などの提出を確認する

10㎡を超える建物を除却する場合は、建築基準法に基づく建築物除却届が必要です。建て替えで引き続き建物を建築する場合は、建築物除却届ではなく建築工事届へ記載します。

提出方法は所在地の特定行政庁で確認してください。このほか、自治体の条例や補助制度に伴う書類が必要な場合があります。

出典:国土交通省 建築工事届・建築物除却届

⑨道路使用許可と特定建設作業の届出を確認する

道路上で工事や作業を行う場合は、道路使用許可が必要になることがあります。重機や車両を道路へ置く計画があるときは、施工場所を管轄する警察署へ十分な余裕を持って相談します。

くい打機や削岩機など、著しい騒音・振動を発生させる特定建設作業は、市区町村への届出対象になる場合があります。該当する機械、区域、提出期限を解体業者へ確認してください。

出典:警察庁 道路使用許可の概要

着工前に片付ける物とライフライン

着工前には、建物内外の残置物を整理し、電気・ガス・通信設備などを安全に撤去できる状態にします。水道や浄化槽は扱いが異なるため、施主の判断だけで停止しないでください。

解体工事前に確認する家財・電気・ガス・通信・水道・浄化槽のチェックリスト
  • ⑩残置物と家電を処分する
  • ⑪電気・ガス・通信設備を停止する
  • ⑫水道・浄化槽・井戸の扱いを決める

⑩残置物と家電を処分する

家具、衣類、書類、食器などは自治体の分別ルールに従って処分します。環境省は、引っ越し時の家具などは市町村の粗大ごみ収集へ、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクルのルートへ出すよう案内しています。

解体業者へ処分を依頼できる物と、施主が処分する物を分け、追加料金の有無を確認してください。通帳、印鑑、写真、権利証、仏壇などは早めに別の場所へ移します。

出典:環境省 引越し廃棄物の取り扱いについて

⑪電気・ガス・通信設備を停止する

電気、ガス、固定電話、インターネット、ケーブルテレビなどは、着工日を伝えて停止・撤去を申し込みます。引込線、メーター、配管、レンタル機器の撤去に時間がかかる場合があるため、1〜2週間以上の余裕を見て連絡しましょう。

太陽光発電、蓄電池、警備設備、灯油タンクがある場合も業者へ伝えます。停止の連絡先と撤去完了日を一覧にすると確認しやすくなります。

⑫水道・浄化槽・井戸の扱いを決める

水道は、解体中の散水や清掃に使用することがあります。停止日や料金の精算は解体業者と相談して決めてください。

浄化槽がある場合は、撤去前に汚泥のくみ取りと清掃を手配します。井戸は埋め戻すか残すかを決め、地鎮祭やお祓いを希望する場合も日程へ組み込みましょう。

近隣トラブルと撤去ミスを防ぐ最終準備

解体工事前の最終準備では、近隣への案内、境界と残す物の確認、鍵や連絡体制の共有を行います。口頭だけで済ませず、写真と書面を残すことが重要です。

  • ⑬近隣へ工事内容を案内する
  • ⑭境界・残す物・家屋の状態を記録する
  • ⑮鍵・工程表・緊急連絡先を共有する

⑬近隣へ工事内容を案内する

着工前に、工事期間、作業時間、休日、車両の出入り、施工業者と現場責任者の連絡先を近隣へ案内します。挨拶自体が全国一律の法的義務とは限りませんが、騒音・振動・粉じんへの不安を減らすために欠かせない対応です。

留守の家には案内文を投函し、説明した範囲を記録します。隣地を一時的に使う場合は、使用場所・期間・原状回復を書面で合意してください。

⑭境界・残す物・家屋の状態を記録する

境界標、隣家との塀、残す樹木、門柱、配管などを施主と現場責任者で確認し、写真へ印を付けます。必要に応じて、隣家の外壁や基礎の状態を工事前に記録する家屋調査も検討してください。

図面だけでは現場で判断しにくい物は、色付きテープや表示札でも区別します。撤去ミスを防ぐため、最終確認の内容を双方で保存しましょう。

⑮鍵・工程表・緊急連絡先を共有する

建物の鍵、現場へ入る方法、車両の待機場所、施主の連絡先を施工業者へ共有します。工程表には着工日と完工予定日だけでなく、騒音が大きい作業、休工日、完了確認日も記載してもらいましょう。

追加工事や事故が発生した場合の連絡順序も決めます。着工前日の時点で未完了の項目があれば、無理に工事を始めず、工程を見直してください。

解体工事前にやることのチェックリスト

解体工事前にやることは、次の一覧で最終確認できます。担当者と完了日を記入し、契約書や届出の控えと一緒に保管してください。

確認項目主な担当
所有者・相続人・抵当権施主
解体後の土地利用・税金施主
見積もり・契約書施主・業者
アスベスト事前調査業者
建設リサイクル法などの届出施主・業者
残置物・家電の処分施主
電気・ガス・通信設備施主
水道・浄化槽・井戸施主・業者
近隣挨拶施主・業者
境界・残す物・家屋調査施主・業者
工程表・鍵・緊急連絡先施主・業者

まとめ

解体工事前にやることは、権利関係と土地利用の確認、業者選び、調査・届出、残置物とライフライン、近隣対応の5つに分けると整理できます。特にアスベスト調査や行政手続きは期限があるため、着工日から逆算して進めましょう。

施主と業者の担当を明確にし、完了した項目をチェックリストで管理すれば、着工の遅れや追加費用を防ぎやすくなります。まずは現地調査を受け、建物と敷地に必要な準備を具体化してください。

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